自由に生きたい看護師のブログ

会社員から転職してきた看護師が思うコト

退職後に自分で未払い残業代を請求する方法と、実際に請求してみてどうなったか

残業代が出ない。これって病院ではあるあるだと思います。
 
私が前に働いていた病院でも残業代は出ませんでした。
 
 
その昔私が勤めていた会社では普通に残業代がもらえていたので、
 
ブラック企業ってなんでサービス残業してるの?残業つけたらいいじゃん。
 
くらいに思ってました。でも残業代をもらわないのがフツーな環境では、そう簡単にはいかないものなんですね。
 
 
特に新人看護師は人権なんてないも同然で、働くことで学ばせてもらってる。学ばせてもらえることに感謝しなさい、くらいに思われているので、とてもじゃないけど残業代のことなんて言い出せる雰囲気ではありません。
 
たしかに新人はミスも多いし教えてもらわないと何もできないけど、でもそれと残業代のことは別です。
 
働いている以上、残業したら残業代をもらうのは当然のことです。
 
それに加えて在職中に師長から受けたパワハラまがいの暴言にも納得いかず、退職後に残業代を請求することに決めました。
 
  

労働基準監督署に問い合わせ

 
退職後に残業代請求のためにまずしたことは、自分の住んでいる地域の労働基準監督署に問い合わせです。
 
インターネットで調べると、残業代を払ってくれないなどの労使トラブルに関連する労働基準監督署の相談窓口がみつかります。そこに電話して残業代請求の方法を聞きました。
 
すると、
 
勤めていた病院にまずは自分で請求してください
 
ということでした。
 
サービス残業って普通に行われてるけど、これって違法です。
 
とはいえ、残業代もらえませんと労働基準監督署に申告して、すぐに労基署がその事業所に乗り込んでなんとかしてくれる、というわけではないそうです。
 
まずは労働者が残業代を払ってくださいと自分で職場に伝える。そしてそれでも残業代を払ってくれないという場合に、労働基準監督署が動くそうです。
 
 
なるほど。
 
 
って納得しそうになりましたが、いやそれができたらサービス残業なんてそもそも存在しないのでは?
 
たしかに正しい順序なんだけどね。でもイチ労働者と会社の上司って立場が違いすぎて、自分では言えないんですよ。
 
ブラック企業からの圧力には個人の力ではどうにもならなくて、だから世の中サービス残業がまかり通っているんです。
 
 
そんなことを思いましたが、とりあえず言われた通りに自分で請求することにしました。
 
師長からのパワハラへの恨みもあり、元職場にどう思われてもやってやる!という強い意志が私にはあります。
 
 

残業代請求の方法

 
労働基準監督署から教わった残業代請求の方法です。
難しそうに思えるけど、残業代払ってねと書面に書いて郵送する。それだけだそうです。
 
書面に書くこと
  1. 残業代払ってください
  2. 残業代の金額。(これはオプションなのでなくてもオーケー)
  3. 支払い期限
  4. 振込先
 この4つです。
 
まず一つ目、残業代を払ってほしいという内容がいるというのは当たり前ですね。
 
 
2つ目の残業代の金額。わからなかったら書かなくてもいいけど、あれば親切というくらい。
 
自分で計算するのですが、 残業代の計算を間違ってたらどうなるの?と疑問に思ったので、私は書かずに相手側の出方に任せました。
 
 
3つ目の支払い期限。例えば書面到着から10日以内に支払いを、という具合です。
 
いつまでにという決まり事は特にありません。自分で決めることができます。
急いでないので相手側に少し時間のゆとりをもたせる意味で、 私は郵送した月の末日を期日にしました。
 
 
そして最後に払ってもらうための振込先が必要です。給料を銀行振込みでもらっていたとしても、書いておいたほうが親切です。
 
 
記載するのは以上です。
 
さらに追加で、何も返事がない場合訴訟して申し立てる可能性もありますよ、という脅し文句をつけてもいいと言われました。
 
 
もしもこれで返事がこないとき、そのときは労基署から行政指導をすることになるそうです。
 
いざとなったら労基署が助けてくれるんですね。心強い。
 
 
私はこんなかんじで内容を作成しました。

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そんなに堅苦しく考えなくていいようです。
 
残業代請求で検索すると、法律事務所のウェブサイトがでてきて証拠だとかいろいろややこしいことが書いてあります。
 
でも大事なのは、
 
残業代を払ってほしいと伝えることです。
 
あとはアバウトでよさげです。
  
 

郵送は内容証明郵便で

 
普通の郵便ではなくて、内容証明郵便の、できれば書留で送ります。
 
内容証明郵便とは、郵便局が書類の文面内容を確認して、確かにこういう内容の郵便を送りました、と郵便局が証人になってくれるちょっと特殊な郵便です。
 
もし会社がそんな郵便受け取ってません、とシラを切ろうとしても、郵便局が証人になってくれて証拠になります。 さすがにそこまで悪質な病院ではないと信じたいですが。 
 
内容証明は書式が決まっているので注意が必要です。インターネットで調べて書きましたが、これがまたややこしくて、慣れていないと正直めんどうくさいです。
 
最近はe内容証明といってインターネットでできるようになったようです。
 
e内容証明
印刷、封入して郵便局まで持っていかなくても、ワードで作った文書を郵便局のウェブサイトからアップロードするだけで内容証明郵便が送れます。
 
 
 
  • 郵便局のウェブサイトのファイルを使うので、自分でワードの書式設定をしなくていい。
  • 印刷しなくていい
  • 郵便局に行かなくていい
  • 郵便局の窓口で待たなくていい
  • 自宅からいつでも送れる
  • e内容証明のほうが安い
 
これはかなり便利です。
 
内容証明郵便用にワードの書式設定することってあまりないので、ややこしいんですよね。
さらに自宅にプリンターがないのでコンビニに印刷しに行って、封筒を書いてと地味に面倒です。
 
郵便局での待ち時間もけっこう長い。そういう手間が全て省けるので、自宅のパソコンでできるのはかなりありがたいです。
 
詳しくはこちら
 
 
ただし、パソコンにワードがインストールされてない人は、 e内容証明は使えないようです。そこは残念。
 
残業代請求の時効
重要なことをひとつ。
残業代請求の時効は2年です。
 
5年働いたとしても、直近2年分しか請求できません。
内容証明郵便で請求書を送ると時効がストップします。 なので2年以上働いた場合はできる限り早く請求したほうが得です。
  
 

請求した後どうなったか

 
数日後に病院の人事から電話がありました。
でなんと、支払いはするけど病院に来て話をしようと呼び出されました。
 
えっ
 
何ナニ怖い
 
 
元職場から呼び出し…密室で脅されたりしないかとかなり不安です。怖いです。
 
働いているときも師長がものすごく威圧的でいつも怯えてました。そんな態度で来られたら、怖くて何も言えなくなってしまいます。
 
ここらへんから弁護士に相談しようかなと思い始めました。
 
調べたところこういうとき、弁護士が立ち合いしてくれるみたいです。もちろん有料ですが。
 
立ち合いだけと、交渉も含めての場合とでは値段が違うようです。
 
私が聞いた弁護士は、交渉を含めてなら2,3万円とか言ってました確か。立ち合いだけならもう少しリーズナブル。法律事務所によって金額は違いますが。
 
 
弁護士にきてもらって威光にあやかるのもいいですが、第三者が立ち会っていたら、少なくとも脅されたり無茶なことはされないでしょう。
 
というわけで、今回は弁護士ではなく普通の友人に一緒に来てもらうことにしました。
 
 
結果・・・
 
 
人事部長、看護部長、私、友人で面談。
心配していたようなことも特になく、支払いの明細をもらって終了しました。よかった。
 
友人に来てもらった効果があったのかはわかりませんが、一人で行くよりも心強かったです。 でもひとつ気になることがあります。
 

支払ってくれた残業代が自分の計算と合わない

 
実は私、退職する前から残業代を請求しようと思っていたので、密かに自分の勤怠記録を印刷して持っていたんですが、自分で残業代を計算した金額と、支払ってくれた金額、誤差レベルではなく違います。
 
 
どういうことでしょう。納得できません。
この違いはなんなのか、どう計算したのか気になります。
 
確認してみようか、でもまた呼び出されたら怖いしな・・・。
 
 
2,3日悩んだ結果、どうせ辞めた職場だしこの際聞いてしまえ、と元職場に電話しました。
 
 
電話すると丁寧に説明してくれました。
でもこういうときは口頭ではなくて、書面でやりとりするのが基本です。証拠を残すためにも。
金額の根拠と、勤怠記録を郵送で送ってもらうことにしました(持ってるけど一応確認のため)。
 
 
その結果、終業後の時間外手当しか計算されていなくて、前残業の分が計算されていないことがわかりました。
 
 
やっぱり。そうじゃないかと薄々思っていました。
 
 
でもね
 
 
残業代ってのは、時間外に働いた分の手当です。後残業だけでなく前残業だって当然含まれますよ。
 
たまたまその日だけ何かの都合で始業時刻の1時間前に出勤して仕事しないといけなかったっていうんなら、別にそこまで細かく言うつもりはないです。でも、
 
始業時刻に仕事を始められるように、50分~1時間前には出勤するのが普通な状態。
これは完全にアウトです。夜勤のときなんか2時間前には出勤して情報とってたし。
 
 
前残業の分の時間外手当も払ってもらいたいです。
が、一度まとまった話を今更ひっくり返すのはさすがにしつこいんじゃないかと気が引けます。
 
それに一度その金額でいいですよと言ってしまったのに、やっぱり納得いかないと後からごねるのって法律的にどうなのかな、できるのか?なんてことも気になります。
 
 

再び労基署と弁護士に相談してみる

で、また労働基準監督署に事情を説明して相談してみました。
 
追加分の請求をしてもいい。でも一度それで納得して話をまとめたならもう難しいかもしれない、とのことでした。
 
 
次に弁護士に相談してみました。
すると、たとえその金額でいいと一度答えたとしても、思ってることと言ったことが違うときは錯誤無効として取り消せる。なので大丈夫とのこと。
 
 
ということで、追加分の請求は弁護士にお任せしました。
 
自分でするのはちょっと気が引けるけど、誰かがやってくれるならお願いしよう、というかんじです。
 
弁護士費用はかかりますが、獲得金額から報酬が差し引かれるので、こちらが損することはありません。
 
その後、とくに揉めることなく事は済みました。
 
 
思うに、労基署の人たちはお役人さんなので、残業代の請求なんてしてもお給料は増えず、仕事が増えるだけ。
 
一方弁護士は残業代獲得に成功したら自分の収入も増えるので、積極的に手伝ってくれます。
 
労基署がなんで労使問題に積極的に動かないのか、わかった気がします。給料に関係ないなら、余計な仕事は増やしたくないですもんね。
 
 

大体のかかった弁護士費用と、獲得した残業代の金額は

気になる弁護士費用ですが、こんなかんじでした。 
 
着手金: 約40.000円
支払う報酬: 獲得した金額の25%
その他郵便代や交通費があれば実費分をこちらが負担
※法律事務所によって違います。これは安いほうらしいです
 
今回の場合、弁護士に依頼して獲得した残業代は約40万円、弁護士に支払ったのはその25%の10万円。
 
私がもらえたのは残りの30万円ほどでした。
弁護士からしたら小さな金額だと思うけど、私にとっては30万円って大きな金額です。
 
獲得した未払い残業代
結局、もらえたは全部で95万円。
未払い残業代のすべてを支払ってもらえることができました。
 
そのうち10万円は弁護士費用として差し引かれました。
 
 
残業時間は月平均で40~45時間くらいだったので、まあこんなもんでしょうね。私は1年しか働いていなかったので、もし2年だったらもっと大きな金額になります。
 
 

残業代請求をしてみて思うこと

 こちらが弁護士をたてると、相手の病院も弁護士を通してきました。
できるだけ揉め事は起こさず穏便に済ませたかったんですが、こうなるとなんだか、えらいことになったなぁというかんじです。
 
やはりできることなら、最初の内容証明郵便を送る時に自分で支払ってほしい残業代を計算して書いておいたほうが、後々ややこしくならずに済んでよかったのかもしれないと思います。
 
 
そして労基署が言うようにまずは、残業代を払ってほしいと職場に言うことが大事ですね。
 
私たちは労働者として一生懸命働くのですが、その真面目さが雇用者に、いいように利用されてしまっているのかもしれません。
 
みんなで残業代を払うように職場に圧力をかけたら、サービス残業なんてなくなるんじゃないかなと思います。
 
なので、まずは自分で残業代を払ってほしいと職場に言う。払ってもらえないと文句言うのはその後。
 
労働基準監督署がまずは自分で請求をと言うのは、ある意味では正しいと思います。
持っている権利を行使しないで泣き寝入りをしている労働者のほうが、大人しすぎるんじゃないでしょうか。
 
 
それにしてもこの病院、たぶん私のことをとんでもないやつだと思ってるだろうなぁ