ジユログ

自由に生きたい看護師のブログ

「哲学する子どもたち」の読書感想

フランスの教育事情について書かれた本です。
 
 
外国の教育を垣間見ることで、日本とフランスそれぞれの教育のいいところ、悪いところが見えてきます。
 
 
例えば、驚いたことにフランスには修学旅行がないそうです。
 
フランスでは、先生が学生を旅行に連れていきたいと思ったら、教師が個人で業者に依頼して企画するそう。
 
クラス全員である必要もなく、自分の選択授業を選んでいる子だけとか、席に余裕があれば追加で自分の気に入った子を呼ぶこともできる。気に入らない子なら連れて行かないと断る(!?)こともできるんだそうです。
 
気に入らないという理由で連れて行かないこと、そしてそれが大して問題にならないことにも仰天です。とにかく教師個人の裁量が大きいということですね。
 
これには驚きました。日本では教師個人の意思で修学旅行を決めることなんてできません。どの学年でどこに行くかも大体決まっています。
 
 でも、学生の中には遠足とか修学旅行とか、そういうのが苦手な人も一定数いますよね。私がそうでしたもの。
 
 
修学旅行が、そしてすべての学校行事が全員参加でなかったなら、どんなにありがたかっただろう。この点に関しては、私はフランスの制度が羨ましいです。
 
 
 
またフランスの学校では忘れ物や遅刻に罰則があるなど、学業に差し障ることに関しては厳しい。一方で風紀には緩いそう。
 
未成年はお酒・たばこを買ってはいけないだけで、飲酒、喫煙そのものは禁止ではない。中学生でもお酒を飲んでパーティーしてるし、高校生は喫煙可能な区域でならタバコ吸ってても怒られない。メイクも香水も問題ないんだそう。
 
 カルチャーショックです。
 
 
これを読んでいるとフランスでは、学校はあくまで教育に関することのみ感知する。なので学業に影響しないなら他のことは自由なスタンスであるとわかってきます。
 
これに対して日本の学校は、学業だけでなく生活面の指導も教育に含まれています。
 スカートの丈や化粧、髪の色など風紀にやたらと厳しいのは、学校は生活指導の役割ももっているから。
 
 
当たり前だと思ってたことが実は、世界中どこの学校もそうだというわけではなくて日本独自のものだったわかる。そういう体験ができる本です。
  
そして他国のことを知る楽しさはこの、自分の常識が実は絶対的なものではなくて、いくつもある選択肢のうちの一つに過ぎなかったと気づく体験にあると思います。
 
こういう体験をすると、日本の厳しい校則ってもしかしたら不要なんじゃないの?なんて作られた枠組みを超えて考えだすきっかけになります。
  
 
教育内容よりも生活の違いについての感想になってしまいましたが、他にもフランスでの哲学教育、卒業試験バカロレアのこと、どうやって自分で考える力を身につけていくのか、保護者会のことなど、興味深いことのオンパレードです。
 
外国の教育を知ることで自分の常識が壊されていくのが楽しく、視野が広がっていくのを感じられる本です。
 
 
そして作者の中島さおりさんは文学の家系で、ご本人もエッセイストで翻訳家なだけあって、文体がのびやかでしなやか。
 
なんていうかもう、文章に無理がなく余裕があるかんじ。表現力が豊かで、なぜか読んでいて気持ちよくなる文章です。私もこんな文章が書けたらいいのに!
 

 

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