ジユログ

自由に生きたい看護師のブログ

幸せになるためには、すべてを叶えるかすべてを諦めるか

中島みゆきの昔の歌で「しあわせ」という歌があるんですが、知ってる人いますでしょうか。
 
知ってたらマニアックかも。
 
その歌に「しあわせになる~道には2つある~」という歌詞があります。
 
 
「ひとつめは願い事うまく叶えること~。もうひとつは願いなんか捨ててしまうこと~」
 
 
これ、何気にうたっているけど真理をついてるなーと思います。
 
 
極端に言えば、幸せになる方法は
1.願い事のすべてを叶える
2.すべてを諦める
 
この2つではないかと思います。
 
 
ずーっと欲しくて欲しくて仕方なかったものを手に入れると、ものすごく嬉しいです。嬉しくて嬉しくて、喜びに満ち溢れて幸せになります。
 
でも悲しいことに、その幸せはずっとは続きません。そしてあんなに欲しくて仕方のなかったものなのに、そのうちどうでもよくなってまた別の物が欲しくなります。
 
何か欲しいものを手に入れても、また他の物が欲しくなって、満足と渇望を繰り返します。それは永遠に繰り返され、満たされることも終わることもありません。
 
今あるものに満足しないであれもこれもとほしがる。そういう人は、幸せになるには欲しいものを手に入れるしかありません。
 
 
なので幸せになる方法ひとつめは、願い事をすべて叶えることです。
 
欲しいと思ったら必ず手に入れる。手に入れられないものが一つでもあれば、満たされなさや悔しさ、挫折を味わうことになります。
 
 
 
ふたつめは逆に、全部諦めてしまうという方法。
持っているものがなーんにもなくて、何も望まなければ、どんな小さなことも幸せに思えます。
 
 
ちなみに仏教はこの、諦める方法を徹底的に追及した宗教です。
 
何も持たず、何も欲しいと思わなければ、大きな喜びもないかわりにひどく悲しむこともない。だからあらゆるものへの執着心を捨てよ、というのが仏教の教えです。
 
人は生きてると、死ぬのが怖いとか、人から認められたいとか、長生きしたいとかそういう欲望がついついでてきます。
 
 
でも仏教的に言えば、死ぬのが怖いのはこの世に執着をもってるからだ。そんな執着心捨ててしまえば死なんてなんでもなくなるわい。というわけです。
 
身近な人が亡くなって悲しいのは、その人に執着してるから。執着心なんて最初から持たなければ、悲しくもないんだ。ということ。
 
昔仏教の本を読んでいると、仏教の世界観では生きることは苦だ、ときっぱり言いきってました。
 
ちょっと新鮮なかんじです。
だって世の中には、絆とか平等だとか、生きてるだけで価値があるとか、そういうキレイな建前で本当のところを誤魔化そうとするものばかりだから。
 
私生きててもつらいことばっかりなんだけど。っていう人は、キレイに取り繕った建前のせいで、自分は世間からはみ出した人間なんだ、自分は間違った人間なんだ、という余計な烙印を持ってしまいます。
 
社会の規格外の人間であるという疎外感が孤独感を余計に募らせます。人から認められない感じももっちゃいます。でも、
 
 
生きることはそもそも、苦だ
 
 
なんてハッキリ言ってもらえると、たしかにそうだ。じゃあつらい人生を少しでもよりよく生きるためにはどうしたらいいだろうか?となります。
 
自分は社会の規格外の人間だなんて悩むことなく、さっさと次のステップに移れるんですよ。
 
キレイ事ばかりでは救われないんですよね。
 
 
 
新しい年を迎えるとき、除夜の鐘をつくのは煩悩を祓うためです。
 
お坊さんが108個の煩悩を捨てようと常日頃修業してるのは、この世があまりにも悲しみ、苦しみに満ちあふれているので、そこから逃れて死の恐怖も悲しみも喜びも何もない無の境地に至るためだとも言えます。
 
 嬉しい楽しいという気持ちよりも、心の平穏を重視して最初からすべてを諦めるというものすごくクールな戦法。
 
まさしく、2つめのすべてを諦める方法を究極的に実践しようとしているのが仏教です。
 
 

さてこの2つの幸せになる方法、はっきり言ってどちらも無理なんですよね。
 
願い事を全部叶えることも、何もかも諦めて何も望まないことも、極端すぎて普通の人には無理。できるのは大金持ちでよほど恵まれた人か、欲を捨てきった修行僧くらいでしょうか。
 
つまり人生のあらゆる局面で常に幸せな人なんていないのです。
 
難関大学に合格して喜んでいた。大学院にも進んだ。でも高学歴すぎて逆に扱いにくいと就職のときに敬遠されて、仕事がみつからないとか。
 
結婚して幸せ。子供もいて普通の家庭だった。でも離婚するとか。あんなに大好きだった人で、結婚したときは本当に幸せだったのに、時間がたつとどうしても関係がうまくいかなくなって離婚する。そういうことだってざらにあります。
 
 
人生悲しかったり辛かったり苦しかったり、でもたまには嬉しいこともある。そういうことを繰り返して生きるしかないんですよね。
 
今最高に幸せでも、それが永遠に続くわけではありません。
 
逆につらい時、ずーっと永遠につらいわけでもない。
 
まわりの人が幸せそうで、なんで自分だけ不幸なんだろって思うこともあります。
 
でも実は誰でもそんなふうに思うことがあって、人生はそんなもんなんだって思ったらちょっと楽になる気がします。
 
 
幸せはずっとは続かないんだってわかると、何か幸せなことがあるとありがたく大切に思えます。
幸せでなくても、そんなもんなんだって深く落ち込むこともない。
 
これが案外、うまい生き方なんじゃないかなと思います。
 
幸せは続かないものだと知る。なんか、一歩大人になったなってかんじがします。