ジユログ

自由に生きたい看護師のブログ

安心して長生きできる社会という言葉に思うこと

 

 近頃「安心して長生きできる社会を目指す!」という言葉をよく見聞きします。


声高に叫ばれている「安心して長生きできる社会」が指すのは、おそらく昨今話題の年金のこと、あるいは介護や医療の財源の確保の問題でしょう。


ここでちょっと気になったのは、どういう状態が安心できる社会と言えるのか。そして長生きすることが本当にいいことなのか、ということです。


というのも安心って、実はものすごく主観的な問題だと思うからです。

 

どうしたら安心するかは人による


例えば、私は飛行機が苦手です。


空を飛んでるってことからしてもう意味がわからないし、あまり飛行機に乗ることがないのでたまに乗ると、落ちるかも!?ってものすごく不安になります。

 

これを人に話すと飛行機事故の確率は自動車事故にあう確率より低いから大丈夫だと笑われます。

 

でもやっぱり、いくら安全って言われても怖いもんはこわい。

 

で、私の友人にフライトアテンダントをしている人がいるんですが、その友人と一緒に飛行機に乗ると、なぜかものすごく安心します。

 

隣にいるだけで頼もしいし、乗ってる飛行機が揺れて慌てているときに鼻で笑われると、怖がってる自分がバカバカしく思えてきます。

 

私にとっては飛行機の事故率よりも、飛行機に乗り慣れている友人が隣についていてくれることが何よりも安心になるんです。 

 


でも人によっては、そもそも飛行機なんて全然平気っていう人もいるだろうし、飛行機と車の事故率を頭の中で冷静に考えて、理論で判断して安心する人もいます。

 

こんな例でうまく伝わったかわかりませんが、このように、何で安心するかは人によって違うんです。

 

安全だと判断するための材料をいくら差し出されても、それで安心するかどうかは本人次第。安全と安心は別物です。

 

これと同じように、老後にお金がたくさんあって、最高の医療が受けられて、身の回りの世話をしてくれる人がいたとしても、安心できるかどうかは本人次第だよね、って思うのです。

 

 

さらに、安心して長生きすると言うと、長生きだけを目標にしているように思えます。それって本当にいいことなんでしょうか。

 

長生きすることを目標にしていいのかという疑問


健康のためにはトマトがいいとか、納豆がいいとか、長寿の秘密は〇〇だ!とか、そういったテレビや広告を日常的見ることで、私たちは知らず知らずのうちに長生きという価値観を植え付けられています。

 

でも、はっきり言ってどんなに長生きしても、人生の最終ゴールは死ぬことです。死なない人はいません。

 

そこを覆い隠して生きることだけを考えていると、いざ死ぬときに

 

え?死ぬの?そんなの聞いてないんだけどなんとかならないの?

 

と慌てることになります。

 


どんなに長生きしてもいつかは順番がやってくるんだから、その時まで自分はどう生きるか。どう生きたら死ぬときに納得できるか。


長生きにこだわるよりも、そういうことを考えて備えるほうが大事だと思うんです。

 

 

短くても強烈な光を放つ人生もある

 

ちょっと前に話題になった、アシュリーちゃんってご存じでしょうか。

体が普通の人の10倍速く老化する病気のアシュリーちゃん。

 

まだ子供なのにどんどん体が老化していって、14歳なのに体は90歳。わずか17歳で人生の幕を下ろしました。

 

でも!

 

そんな恐ろしい病気なのに、「私はハッピーよ」と彼女のほうが周りを幸せにしてくれるんです。その前向きさが多くの人の心に響きました。

 

 

短い人生でこんなに人の心を動かす生き方があるとは。

 

まわりにいる同世代の女の子達とはどうひいき目にみてもちょっと違うし、長生きできないことがわかっていた彼女ですが、自分のことを幸せだ、可哀そうじゃないって言ってます。

 

そうだよね

普通でなくて可哀そうとか、まわりから勝手に彼女のことを決め付けるのは違うんです。

 

自分の人生に満足していて前向きな彼女を、可哀そうなんて誰が決めていいものか。むしろ彼女から学ぶべきことがたくさんあります。

 

短い人生でも、彼女は幸せでした。

長生きすればいいってものではないと気づかされます。

 

 

健康に長生きできるのはどんな人か?の研究

 

ちなみに、どうしたら人はより幸せで長生きできるのかっていうハーバード大学の研究もあります。

 

こちら。英語ですが日本語字幕もできます。

 

最初は笑いも交えつつ、聞いてるうちに話に引き込まれていくプレゼンテーションスキルもすごいです。

 

724人の人生を75年間追跡調査したものすごーく長い時間をかけた研究です。

 

この研究で人々が80代になったとき、中年の時の彼らを振り返り、誰が健康で幸せな80代を送ることになったか調べました。

 

気になる答えは・・・

 

お金持ちであることや地位、名誉ではなく、50代のときに人間関係に満足していた人でした。

 

信頼できるパートナーがいる人は、身体的な苦痛があっても、精神的には幸せだと感じ、

何か困ったことがあったときに頼れる人がいると感じている人は、より健康でいられて長生きできるそうです。

 

逆に孤独な人は精神的な不安が身体的苦痛を増大させてしまう。

 

正確なことは上の動画で全て説明してくれますのでそちらを。

 

  

私たちは医学に頼ってデータで測れる身体的な健康ばかりに目がいきがちです。

でも実は精神的な満足が健康に及ぼす影響は、思っているよりも大きいようです。

 

 

これを見て、いくら社会的な制度が整っても、自分の人生に満足できるかどうかは、やはり最終的には個人によるんだなぁと思いました。

 

これって逆に大変ですよね。だってお金持ちになる努力は比較的やりやすいです。

 

でも人間関係って、相手のいることなので自分の思い通りにはいきません。努力に比例して成果が表れるわけでもないし。

 

3人に1人、いや3組に一組だっけ?が離婚する時代で、本当にいい関係のパートナーなんて、この世に存在するのか?って思うくらいレアです。

 

それでも、人は1人では幸せにはなれないんですね。

 

安心して長生きできる社会

 

誰もが老後も最低限の生活ができるに越したことはないので、社会福祉を整えることはやはり必要だとは思います。それは政治が果たしていく役割です。

 

でも、社会とか、何か自分の外にあるものに安心をすべて任せてしまっては不満ばかりになってしまって幸せにはなれないと思います。

 

どんなに便利で豊かな時代になっても、心の内面とか人間関係とか、そういう面倒くさくて思い通りにはいかないことに真剣に向き合うことが、大事なんじゃないかと思います。