ジユログ

自由に生きたい看護師のブログ

服装、髪形、髭。身だしなみの強要は人権の侵害なのか?どこまで許されるのか?

前回日本人は清潔好きで髭嫌いって話をしたときに大阪市営地下鉄(現・大阪メトロ)で髭を生やしていたことで人事評価を下げられたことに不満をもち訴訟があったという話に触れたのですが

 

旬を通り越して今さら感満載なんだけど、これについて考えてみたいと思います。

というのもこれ、ただ単に髭だけの話ではなく私たちみんなに通じる問題だと思うから!です。

 

概要はこんなかんじ。

大阪市交通局(当時)が内規でひげを生やすことを禁じ、従わなかった職員にマイナスの人事評価を下したのは、個人の自由を損害し憲法違反だとして、市営地下鉄(現大阪メトロ)の50代の男性運転士2人が市に計約450万円の支払いなどを求めた。

 

市交通局は平成24年10月から、ひげは伸ばさずきれいにそる-などとした職員の身だしなみ基準の運用を開始。ひげを生やしていた原告らは25、26年度の人事評価で5段階のうち最低や下から2番目の評価を受けた。

引用は2つとも 産経新聞 2019.1.16 https://www.sankei.com/affairs/news/190116/afr1901160021-n1.html

 

髭を理由に人事評価を下げるのは正当なのか?

 さてこれ、どう思います?

 

一般的に職場での髭には厳しい目が向けられますが、髭禁は人権の侵害にあたるのか?

それともやっぱり仕事である以上、個人の自由がある程度制限されるのは仕方ないことなのか??

 

どっちも大事で正しそうに思えるので、決め難いです。

 

身近にある身だしなみの例

考えてみれば、職場で身だしなみのために服装や髪形を指定されるのは何もこの運転手たちだけではありません。

 

私は病院で看護師してるのですが、仕事中はナース服だし、髪の色や髪型も暗めの色で肩にかかる場合はまとめ髪と決められています。見えないにも関わらず靴下は白系と決められてるし、寒い時でも患者の前ではカーディガンを羽織ってはいけないと言われます。

 

聞くところによるともっとすごいのもあります。

私の友人は接客業なのですが、身だしなみのために

 

  • マスク禁止。風邪ひいててもダメ
  • メイク必須。身だしなみチェックで口紅してなくて注意されたことがある
  • ネイルはきれいに。剥がれかけてると整えるよう注意される
  • 歯の矯正禁止←!?

 

だそうです。これを聞いたときはカルチャーショックでした。

 

医療系はマスクするのは普通だしネイルは禁止。どうせマスクしたら顔の半分は隠れると思うと面倒で、私はメイクしないで仕事に行くことも多いです。

 

当たり前だけどメイクしてないからって注意されることはありません。

まあこれくらいならそういう仕事もあるよね、で済ませられるけど

 

歯の矯正禁止って・・・?

たしかに矯正器具は金属ギラギラしてて目立つけど・・・

透明で目立たないやつならOKだそうですが、歯の矯正って普通でも100万くらいするのに目立たないほうにすると倍くらいしますよ?

 

どうなんだこれ。

ちょっと厳しすぎる気もします。

 

合理性があるかどうかが問題 

さて、私が何着てどんな髪形しようが個人の勝手でしょって話なんですが、やっぱり働くためにはそうもいかないんですよね。

 

看護師はナース服を着て仕事します。別にこれは病院長の趣味で着せているわけではありません。

病院で感染媒体を色々と扱うのに私服だと自分の服が汚れるので嫌だし、病院に来たどんな人から見ても、

 

あの人は医者で、この人は看護師で、あっち人は事務の人だ

 

とわかることには合理性があります。普通のTシャツGパン姿の人に、呼吸音聞くから胸を見せてといきなり言われたら、たぶんちょっと戸惑いますよね?誰がどんな役割の人なのかわかることで患者さんは状況を理解できて安心できます。

 

髪形についても、病院では清潔が大事なので仕事中はまとめ髪にする決まりはそれなりに意味があると思います。

 

だけど白系の靴下はどうでしょうね。

別に見えないし。

 

黒い靴下を履いていて

 

あなた黒い靴下履いてるってどういうこと!なんて注意されたらイラっとします。

 

普通にしてたら見えない靴下が白だろうが黒だろうがどうでもいいし。

ましてやそれを理由に給料を下げられたらたまったものじゃない(;´Д`)

 

個人の自由VS職場のルール 

最初の話に戻るけど、この髭訴訟って

 

職場で髭はアウトなのかセーフなのか?というただの髭問題ではなく、

 

何を着てどんな髪形をするかは基本的に個人の自由。

だけど、職場は仕事の都合上一定のルールを労働者に強要するのが妥当なこともある。

それは個人の自由を制限するわけだけど、どこまで強要していいのかっていう問題です。

 

で結局どうなの?職場で髭はだめなの?いいの?

私の考えではこれは白と黒の間、グレー

世の中白黒はっきりつけられる問題ばかりではないのです!一律に禁止するのではなくて、個別な事情を考えて判断していくべき事柄だと思います。

 

髭に寛容な外国ならば、髭を理由に評価を下げる発想すらなかったかもしれません。でもここは日本。髭と身だしなみには厳しいです。

 

世間一般の人から見て妥当な範囲はどこなのか?という落としどころを探っていかないといけない。

 

で、裁判でその世間一般的に妥当な範囲はこんなもんだろうと答えを提示してくれてます。手っ取り早く頭のいい裁判官が出した答えを見ちゃいましょう。

ひげは「清潔感を欠くとか威圧的印象を与えるなど、社会に広く肯定的に受け入れられているとはいえない」とし、「公務員の服務を規律するためとして一定の必要性・合理性がある」などと述べ、基準自体は違法とまではいえない

なんと髭は清潔感がないというイメージ自体を否定しつつも、規律のためには合理的、と微妙な判断。続いて

ひげを生やすかどうかは「服装や髪形と同じように個人の自由」であるうえ、服と違って付けたり外したりができるわけではないので私生活にも影響を及ぼす、と指摘。ひげを職務命令として禁止したり、人事上の不利益処分の理由としたりすることができない

※引用元は上と同じ

 

髭は服と違って付けたり外したりできない!!

 

たしかに!(笑)

 

というわけで髭の運転手側の勝訴となりました。

髭禁止にするルールを作るのはいいけど、守らないのを理由に評価を下げるのはやりすぎってこと。

 

妥当なかんじです。

 

ま、なんていうか物事にはイエスかノーの2択で考えるのではなくて、その間を考えるとうまくいくときがあるよね。なんて思います。